歴史カフェ阿蘇!猫は根子岳に登らない!

日出処天子が国書をだした隋の史書に「阿蘇山あり」と書かれています。え?なんで阿蘇?って思いませんか?

「阿蘇」の意味は何ですか

そもそも、阿蘇ってどんな意味があるのでしょうね。
古代では「あ」は、自分のことですね。「吾」と書いて「あ・あれ」と読み、「私」と言う意味で使います。古事記や日本書紀に古い言葉がでてきますが、例えば「あぎ」とか「朝臣(あそん・あそみ)」とかです。


あぎ (吾君あがきみ)のことで、わたしのご主人様 という意味です。
あそみ (朝臣)あがおみ、わたしの家臣、朝廷に仕える臣下と言う意味です。


そうして考えると、「そ」は何でしょうね。いきなりご先祖の「祖」でしょうか。では、


阿蘇とは、我が先祖の神山となりますね。阿蘇を本拠地とした豪族が、我が祖先の神山と崇めた、のでしょうか。
何だかすっきりします。
そもそも、阿蘇は一つの山頂を呼ぶ言葉ではありません。


阿蘇山は、阿蘇五岳と呼ばれるように、中岳・高岳・根子岳・杵島岳・往生岳をまとめての総称でしたか? 今では阿蘇とは地域も含んだ代名詞なのです。


古代の阿蘇、其の中心にある山岳を我が故郷の神山「あそ」と呼んだ、と思います。では、漢字を阿蘇としたのは何故でしょう。「隋書」の時代から阿蘇と書かれ、その表記は現代まで継続されているのです。日本ではもっとも古い固有名詞ではないでしょうか。奴国・狗奴国など固有名詞がありますが、今に伝わってはいません。末盧国は松浦として地名に残っているようですが、魏「倭人伝」のころは漢字が一般化していなかったので、漢字表記は残されていません。


然し、阿蘇は隋書の時代から阿蘇であり、阿蘇山も固有名詞として漢字表記までしっかり残っているのです。
おや? では、古代の人は阿蘇と云う漢字を受け入れ使っていたのですか?


肥後では漢字の普及が早かったと云うことでしょうか。
そう云えば、本居宣長でしたっけ、はっきりしませんが「熊本の言葉は優雅である」と云ってませんでしたか? 古代の優雅な言葉が残っていると。


次も、何処となく文化の香りのする「阿蘇」の漢字にも迫りましょうね。


白川静の「字統」で調べてみましょうね。
偉大な漢字学者は、阿と蘇についてどんなことを書いてくれたのでしょうね。


では、また。